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絶対おさえておきたいビジネスの基本!
来客応対のマナー(ご案内~お見送りまで)

前回は、来客応対の受付からご案内場所にお連れするまでを紹介しました。
今回は応接室のご案内から、飲み物のおもてなし、お帰りの際のお見送りまでを紹介しましょう。

ご案内は席まで!

ご案内はその方が座る席まできちんと案内するのが基本。よく応接室の入口や会議室の前で「ではこちらでお待ちください」と言って立ち去ってしまう人がいます。できるだけ部屋に入って「どうぞこちらのお席でお待ちください」と、上座の席までご案内しましょう。上座は部屋の造りなどによって変わってきますが、普段からどこが上座なのか確認しておきましょう。


<上座とは>
①入口から遠い席
②ソファセットでは一人掛けより長ソファー
③眺めがよい席
④空調などが直接あたらないなど心地よい席

ビジネス関係の来客応対のマナー1

飲み物のおもてなし

お茶出しは女性がするべきというわけではありませんが、多くの企業で女性が出していることが多いですね。飲物を出すこともおもてなしの一つですので、“やらされている”ではなく、おもてなしの心を表す場面として考えましょう。


<呈茶についてのポイント>
【1】お客様がいらしたら、お盆の上に人数分の飲物を用意する(大勢の場合は前もって準備しておく)。
 
【2】お茶の場合は、茶托の上に湯飲み茶わんをセットした状態で持っていく。人数が多くお盆に乗りきらない時は、茶托だけ重ね、茶碗と別にお盆に乗せる。グラスの場合、お盆の中ではコースターに乗せない。
 
【3】こぼれたり、水滴をぬぐったりするために、布巾も一緒に持っていくとよい。
 
【4】部屋に入る際はノックをし、入り口で会釈をして入る。その際、部屋の中の様子を察し、まだ名刺交換をしているような場合は入り口付近で待ち、お客様が着席してから飲物を出すようにする。
 
【5】安全面からもお盆はできるだけサイドボードや別の机に置き、お盆から両手で飲物を運ぶ。
 
【6】ビジネスの場なので、上座の方からできるだけ速やかに邪魔にならないように出すことが大切。かつ雑にならないように飲物を置いた後に、少しだけ間を残して手を引くとよい。
 
【7】おしぼりを出す場合は、飲み物の前におしぼりを出す。できるだけお客様の右手側に出すようにする。
 
【8】お菓子なども一緒に出す場合は、お客様から見て右手側に飲物、左手側にお菓子を置く。先に出した物の上をまたいで通らないよう、奥のものから出すとよい。
 
【9】面談の時間が長くなるようなら、途中でお茶の差し替えや別の飲物を出す。

ビジネス関係の来客応対のマナー1

面談中の注意点

面談をする人が気を付けたいこともいくつかあります。


【1】お客様が待っている部屋に入る際は、必ずノックをする。
 
【2】名刺交換が予想される場合は、すぐに取り出せるように用意していく。
 
【3】飲物などは「どうぞ」と言って改めて勧める。
 
【4】部屋の時計や、腕時計などをあまり見ない。
 
【5】携帯電話は、必要な時は面談する場へ持っていくが、メールやLINEの着信音が鳴らないようにしておく。

ビジネス関係の来客応対のマナー1

お見送りは心に残るもの

人の記憶は、相手との最後の言葉のやり取りや態度などに大きな影響を受けるという「親近効果」をご存知でしょうか。第一印象は相手との心の距離を近くするために大切ですが、親近効果は相手の心に印象を残すということ。このことからも、来客応対の最後のお見送りはとても重要です。


<お見送りのポイント>
【1】どこまでお見送りをするのかは、主に入口まで、エレベーターまで、受付まで、建物の外までなどが考えられますが、相手先との関係や状況によって判断します。いずれの場所においても丁寧にお見送りしましょう。
 
【2】最後の言葉を大切に、明るい表情、声のトーンであいさつをします(要件によっては変わります)。
 
【3】別れ際のおじぎは心を込めて丁寧にすると、その姿が相手の記憶に残ります。
 
【4】エレベーターまでのお見送りの時は、ドアが閉まってからも、少しその場に心を残しましょう。
 
【5】廊下や外でのお見送りは、相手が振り向くことを考え、その場に少し留まります。

ビジネス関係の来客応対のマナー1

おもてなしは最後まで

来客応対はお客様が帰ったらそれで終わりではなく、使用した応接室や会議室の片付け、名刺・資料の管理、上司への報告、場合によっては後日お客様へのお礼などを含めてが来客応対です。また、お茶など飲物を出してくれた同僚への「ありがとうございました」の感謝の一言も忘れないようにしたいですね。

ビジネス関係の来客応対のマナー2

来客応対は、自分に対してのお客様でないときも、会社の一員としておもてなしをする心を、自分へのお客様に対しては、お客様だけでなく、上司や同僚への報告や感謝の気持ちをきちんと表現することが大切です。

<text 木村 由紀子>

 

木村 由紀子 きむら・ゆきこ
学習院大学経済学部卒業。
マスコミで経営企画室、人事部を経て社長秘書を勤める。
その後、静岡で旅館の若女将を経験。
そのキャリアを活かし株式会社ファースト企画代表に就任。
サービス接遇、ビジネスマナーの向上を中心とした講演研修活動を行っている。
企業研修(接客・接遇・ビジネスマナー)随時受付中。

 

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