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顔が見えないからこそ難しい!
電話応対のブラッシュアップ

顔が見えないからこそ難しい!電話応対のブラッシュアップ

ビジネスでも、メールやLINEでのコミュニケーションが増えていますが、電話は今もその人の印象を左右する、とても大切な通信手段であることに変わりはありませんね。
今回はより感じのよい電話応対になるためのポイントをチェックしてみましょう。

自分の声の質を確認する

自分の表情が見られないように、自分の声も客観的に聞くのは難しいと言われています。それは、私達は自分の声は骨伝導で聞いていますが、相手は口から出た空気を伝わって耳に入ってきたものを聞いているので、おのずと違って聞こえているからです。

また、電話のように機械を通すとまた違った聞こえ方になります。ここで大切なのは、自分の声は相手にどう聞こえているのかを、まず把握すること。機械を通すと、声はワントーン下がる傾向にあると言われています。

一度スマートホンなどの録音機能を使い、自分の声を聞いてみましょう。多くの人が「いやだぁ~私ってこんな声!」「思っていたイメージと違う、変な声!」という感想を持ちます。ただその声こそが相手が聞いている実際の声なのです

ビジネス関係の電話対応のマナー1

発音を意識する

声の質はもちろん生まれつきで、変えられないものもあります。しかし、声の出し方や発音、抑揚などでグンとイメージアップをすることができます。研修で多くの方の応対を指導していますが、傾向として口をあまり開けずに話している方がとても多いです。

電話をする際は、下を向いて前屈みの姿勢で話すことが多く、その上に口をあまり開けずに話してしまうと、トーンの低い籠った声になりがちです。できるだけ口を動かしてはっきりと話すようにしましょう。
いつも同じことばやフレーズを聞き直される人は、相手のせいではなく、あなたの発音に問題があるかもしれません。

ビジネス関係の電話対応のマナー2

電話の第一印象を大切に

対面だけでなく、電話応対にも第一印象というものがあります。対面した時と同様、相手のその後の心理に影響を与えます。
では電話応対の第一印象のポイントはどこだと思いますか。もちろん職種に適した声で最初にはっきりと社名を名乗るということは当然のポイントですが、もう一つ重要なポイントは相手が用件を言ってきた後の、次の第一声が大切なのです。この相手の用件に対する最初の反応がよいか悪いかで、相手の気持ちは大きく変化します。
次の例を確認しましょう。

【例①】
お客様:「あの~●●という商品がほしいのですが」
×「あ~●●ですね。何色がよろしいですか」
「お問合せありがとうございます。(明るい声で丁寧に)●●ですね。何色がよろしいですか」

【例②】
お客様:「そちらで買ったパン、賞味期限が切れてたわよ」
×「そうですか。なんというパンですか?賞味期限はいつですか」
「それは誠に申し訳ございません。そのパン召し上がったのでしょうか?お身体に何かあってはいけませんので…」

例①②いずれも悪い例は、相手の用件は受けていますが、心を受けていませんね。
例➀でしたら、電話をしてきてくださったことへのまずは感謝の気持ち、有り難いという気持ちをきちんと言葉にします。
例②は、クレームのお電話ですが、相手の用件を聞くなり、相手の気持ちに沿うことなく「なんという商品か、どのくらい賞味期限が切れているか」など、原因追及に気持ちが行ってしまっています。これでは電話の向こうのお客様は逆に怒ってしまいますね。

業務の慣れから、相手の気持ちに沿うことなく進めてしまうことは、何度も同じような内容の電話をとり、先がわかってしまっているキャリアのある人ほど、気を付けなければいけない点です。

ビジネス関係の電話対応のマナー3

気をつけたい相づち

相づちは短いにもかかわらず、意外とその人の心情が表れると言われています。
「はい」という、たったこれだけの相づちでさえ、言い方によってはお客様の怒りのスイッチを入れる要因にさえなります。
次の相づちは二次クレームへとつながりかねないので、十分に気を付けましょう。

①「はいはい」と二つ重ねる
言い方によってはあしらわれているように感じる

②「はぁ」を下げながらいう
自分は納得していない、疑問に感じているという印象を与えてしまう

③「ええ」「うん」
軽く対応しているような印象を与えてしまう。年長者の方には厳禁

④「本当ですか」
疑問に思っていないのに、「本当ですか」を相づち代わりに使う人がいるが、相手の話の内容によっては失礼になるので、相づちとしては使わない方がベター

⑤「なるほど」
あまり意味なく相づちとして「なるほど」を繰り返し使う人がいるが、「なるほど」は目上の人が使う言葉なので安易に使わない

ビジネス関係の電話対応のマナー4

最後によい印象を残す

面談の時のお見送り同様、電話も切る時の最後の印象が、相手の記憶に残ります。
ただ用件が終わって「失礼します」だけで切るのではなく、プラスひと言があるとよい印象が残ります。

【例】
また何かご不明な点がございましたら遠慮なくお問合せください
午後から雨のようですので、どうぞお気をつけてお越しくださいませ。
○○様、改めてこの度はお電話いただきましてありがとうございました。
この件につきましては、私○○が責任を持って対応させていただきます。今しばらくお待ちくださいませ。
改めましてこの度は大変お世話になりました。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。

ビジネス関係の電話対応のマナー5

いかがですか。
毎日何本もかけたり、受けたりしている電話。慣れから事務的な対応になっていないかを見直し、お互いに相手の顔が見えるような、心が通う電話応対にしたいものですね。

<text 木村 由紀子>

 

木村 由紀子 きむら・ゆきこ
学習院大学経済学部卒業。
マスコミで経営企画室、人事部を経て社長秘書を勤める。
その後、静岡で旅館の若女将を経験。
そのキャリアを活かし株式会社ファースト企画代表に就任。
サービス接遇、ビジネスマナーの向上を中心とした講演研修活動を行っている。
企業研修(接客・接遇・ビジネスマナー)随時受付中。

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