甲府市の朝気通り沿いの「Luster Lotus（ラスターロータス）」は、2024年3月9日オープンした完全予約制のスパイスカレー専門店。
大通りに面していながら、うっかり通りすぎてしまいそうな、隠れ家感のある1軒だ。山梨中央銀行青沼支店向側、志村クリーニング本店隣りで、「佐久シート」の看板が目印。駐車場は店舗横に5台分完備されている。

風がある時など天候により暖簾は出ていないこともあるので、営業日はopenボードをサインに。靴を脱いで上がるとスパイスのいい香りと共に、どこかスピリチャルな空気が漂う。

店内はカウンター2席にテーブル3つとこぢんまりとしているが、異国情緒満点のインテリアや美しい間接照明のあかり、心の旋律に語り掛ける音楽が忙しない毎日にそっと余白を与えてくれる…そんな大らかさに溢れている。

週に2日ほどの営業で完全予約制と、ちょっとハードルは高めか…と思いきや、店主の佐久よし美さんはとても気さくで素敵なマダムなので、すぐに気持ちがほぐれるはず！
月初めにInstagramでその月の営業日とメニューが発表されるシステム。タイ料理出身の佐久さんが手がける「スパイスカレー」と「タイカレー」を週替わりで味わえる。

取材日は「スパイスカレー」の日。インテリアもインドとタイの雰囲気で変えているというからスゴイ。
メニューはカレー単品か、副菜付きの2種盛りということで、ポークビンダルーとキーマカレーの2種類のカレーに、卵のアチャールをトッピング。蓮の花をイメージした盛り付けも美しい副菜は、グリーンピースのポリヤル、ゴボウのウールガイ、ニンジンのクミン炒め、紅心大根のピクルスの4種類。

スパイスカレーに卵のアチャールは必須！各店で味が全く違うので、それもまた楽しみなのだ。スパイスが染みたたまごから、とろ～と半熟の黄身がとろけ、酸味と辛味、旨味が抜群のアチャールソールと絡み合う。まろやかな酸味がきいていて、ほのかな甘みも。

ポークビンダルーは赤ワインビネガーとトマトの酸味、そしてカレーリーフの苦みもしっかり感じられ、パワフルな辛さと甘酸っぱさにご飯が進む。ゴロゴロと入った豚肉は、一晩スパイスに漬け込み、さらに煮込んでいるからとってもやわらか～。
そして花椒（ホアジャオ）のピリッとする刺激と爽やかな香りがたまらないキーマカレー。方向性の異なる本格スパイシーな味を堪能する。

食べ方は自由だが、プレートの上で副菜もアチャールもパパド（極薄クラッカー）も全部まぜちゃうのが最高の味！
混ぜれば美味しい…というわけでもなく、混ぜ合わせながら変わっていく味が、どう変わっていくか、なぜ変わっていくか、想像したり確かめたりしながら味わうその過程こそが、複雑な、複数の“美味しい”という感覚を五感に響かせるから。これぞ、自分でできる、自分だけの食のオリジナルパフォーマンスなんだろう。

食事と一緒に、見目麗しいスパイスソーダもぜひ。カルダモン、グローブ、生姜や唐辛子などのピリッとスパイスがきいたソーダに、減農薬のブラッドオレンジをあしらい、爽やかで甘酸っぱい香りが鼻を抜ける。
「Luster Lotus」でココロとカラダをリセットして、エネルギーチャージしてみては。