2024年3月1日甲府市上阿原町にオープンした「LOGICA（ロジカ）」はイタリアンのコース料理とナチュラルワインのお店。よりカジュアルにと、ソムリエの資格を持ちながらもあえてペアリングはせず、ランチからリーズナブルに楽しめる。
深いブルーの外観がカッコいい雰囲気を纏う。

店内はフルオープンキッチンで、カウンター席と4人掛けテーブル１つ、6人掛けテーブルが１つ。
実は私、こちらの大澤司シェフのお料理の大ファンで、前店舗ではシェフとの距離が遠かったので、今回は見事な手さばきに見惚れたい!!とカウンター席をキープ。

厨房から届く料理の香りや調理音を楽しみながら、臨場感たっぷりに料理がどんどん完成していくのを見るのは、何ともドラマティックでワクワクする。
“シンプルで安心感のある美味しさに、イタリア料理らしさを忘れずに”というコンセプト通り、単に技術や素材へのこだわりだけでなく、豊かな郷土色や生まれ出るテロワールを感じられる料理たち。

カウンター席は杉の一枚板で、椅子は食事中ずっと座るものだからと、おしゃれなだけでなく、座り心地にこだわったという。
また、カトラリーは私も大好きなポルトガル製のモダンなスタイルのクチポール社のもの。
「食事をする上で常に身体に触れているカトラリー。その重要性は言うまでもない」と大澤シェフ。持ったときの質感、重量感、扱いやすさにまで、配慮を忘れない。

ロジカとは、イタリア語で『論理』『筋道』『理（ことわり）』という意味。
「自分の作る料理や空間、サービスにおいて論理的に考え、筋道を立て料理人として、人として、真っ直ぐに歩んでいきたい」という大澤シェフの想いが込められている。そんな店名からも、新進気鋭の若きシェフの、真摯に料理と向き合う眼差しが感じられる。

本日はPRANZO Bコースを。
前菜の盛り合わせには“ニョッコ・フリット”なるものが！ニョッコ・フリットとは北イタリアに伝わる郷土料理で、薄い揚げパンで生ハムと食べるおつまみ感覚のものらしい。中が空洞になっていて、さっくりもっちりと軽やかだ。
山梨市の望月農園の甘み、酸味、深みのあるフルーツトマトと、北海道のチーズ工房酪恵舎のミルキーでとろっとやわらかなモッツァレラの魅惑のカプレーゼは、はっさくで美味しさが無限大に！

そして、メインに負けず劣らずの存在感を放つ手打ちパスタ～。取材日はそば粉のニョッキ、全粒粉のパッパルデッレ、マッケローニの3種類からセレクト可能。

ということで、私は「全粒粉を練り込んだパッパルデッレ」～。イタリア語で“食いしん坊”という意味をもつトスカーナ地方のパスタは、まさに食いしん坊の私にピッタリだ。
全粒粉を混ぜ込んだ超幅広のパッパルデッレは風味もよく、はずむような歯切れがたまらない。これぞ、“手作業”がなせる業！骨付きのまま煮込んだ信玄鶏が口ほどけよく、ごろっとしたごぼうの食感を楽しめるだけでなく、コショウや黒オリーブが最高のアクセント。

メインディッシュは、山梨県産のクリスタルポークのシンプルなローストに、近郊野菜のオーブン焼きを添えて。
まず、ステーキナイフは抜群の切れ味に驚く。切っただけで美味しいことが確約され、高まる期待感に胸が躍る。ひと口食べれば、柔らかい肉質にウットリ。
大澤シェフが愛用しているという希少な「わじまの海塩」を添えてくれたけど、スーゴディカルネをベースにしたハーブ香るソースが美味しすぎて、ナントお塩の出番がないという…!!

食後のドルチェは、自家製ティラミスと七賢の酒粕を使った甘酒のジェラート。甘酒の旨味が凝縮されたジェラートが、ティラミスの優しい甘みとコクを引き出す。

「普段使いできるコース料理の店」を目指し、本格派コース料理ながら子ども連れもウェルカム。
キッズチェアもあり、離乳食の持ち込みもOK。ロジカは、まさに子育て真っ只中の大澤シェフが「自分が行きたい店」をカタチにした。
オープンから約2週間ちょっと。山梨を代表する、たくさんの人から“選ばれる1軒”になることは間違いない。