コーヒー観を広げ、コーヒーを共に楽しむ場として愛されてきた「GRAY CUPS COFFEE STAND」が、2024年1月28日「COFFEE LAB GRAY」としてリニューアルオープンした。
甲府市伊勢の「NAVYespresso」で、定休日の日曜日と月曜日に営業する。

“スペシャルティコーヒーで新しい体験を”というコンセプトをより強く、驚きと感動に満ちたコーヒーの世界へといざなう。
こちらは「NAVYespresso」とは異なり、席についてからオーダーするスタイル。カウンター席や1人席、2人席などそれぞれ趣向が異なる特等席が配される。

「コーヒースタンドだとテイクアウトが多く、やっぱりもっとコーヒーの感想を聞いたり、コーヒー観を気軽に語り合ったり…そんな場にしたくて。驚きとか新たな体験という意味では、定番よりも個性的な豆の方が大きくて、その分値段も張ってしまう。だからこそ、その希少性とか味わいの理解を深めたほうが納得できるかなと…」と、店主・澤谷優里さんは今回のリニューアルオープンへの思いを話す。

なるほど！私もコーヒーは好きだけど、いつも同じものをオーダーしがちで、あんまり挑戦しない。そもそも豆の原産国は気にしても、焙煎の違いや抽出の違いまで注視したことがないかも～。
ということで、本日は完全予約制の4つの抽出方法からなるコーヒーのみのコースで、抽出方法で変わるコーヒー体験をいざ！

本日のコーヒーは、コロンビア産のラスマリアス農園で育てられたゲイシャのウォッシュド。カウンターに座って、優里さんの見事な手さばきに見惚れながら会話を楽しむ。
まずは挽きたての豆の香りを。あれ、ゲイシャらしいフルーティな香りではなく、むしろ山椒のようなスパイシーな香りに、早くも驚きだ。

まずはハンドドリップで。
ハーブのような多種多様なフレーバーを纏い、ワイングラスで味わう。上質で高い香りを楽しみながらひと口。きめ細やかに喉をすり抜け、深みや苦みも感じられる力強い酸味に、今までのゲイシャのイメージがガラリと変わる瞬間…！
だけど後味はすっきりと、鼻から抜ける香りとコーヒーの長い余韻もしっかり感じられる。温度変化によって、だんだん味わいが立ってくるのもおもしろい。

次は水出し。
「香りが立ちやすいので、ウイスキーグラスでどうぞ」と優里さん。ペアリングにピーチとマンゴーのドライフルーツがセットされた。
同じ豆なのにこんなにも味わいが変わるなんて!!そう、あの力強い酸味はどこへ!?カドがとれて、キャンディのようなしっかりした甘さを感じるのだ。
ドライフルーツとのペアリングも最高で、お互いが引き立て合いながらきちんと主張している感じ。

そして今度はミルク出しを同じドライフルーツのペアリングで賞味する。
おおおおお!!!!これは全くまた違う～！ミルクにすべてが包まれ、最高級のロイヤルミルクティーみたい。
ピーチやマンゴーのドライフルーツもいい意味で自己主張が薄まり、逆にミルク出しコーヒーとの一体感が強まった。最後にふわっと果実が香り、フルーツティを飲んだ後のような爽快感も。

最後は、私の大好きなラテ♡
…だったんだけど、あれれ～。ゲイシャの個性はかなり弱めに。「うーーーん、普通に美味しいんだけど、せっかくゲイシャ飲むならラテじゃないほうがよかったかも」。私の感想に優里さんが笑う。

どんな時もラテ派の私がこんな感想なんて、そう、自分でも驚きだ。いつもの私ならありえない。
あ、これが新しいコーヒー体験なんですね！
優里さーん、コーヒーってスゴイっ!!