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韮崎を愛する社会事業家 | 西田 遙さん

プロフィール

韮崎市出身 北杜市在住。
今まで子供のまわりにいなかった大人になりたい!
親でも先生でもない「第3の大人」として、韮崎で中高生と大人が関わり合える仕組みづくりに奮闘中。
山梨大学教育人間科学部で、ごく普通の大学生活を送るも突然1年の休止符を打つ。
そのとき得たものこそが現在を作る原動力に。
現在、NPO法人 河原部社(かわらべしゃ)理事、ミアキス施設長を務める、韮崎愛に溢れる社会事業家!
未来を担う子供達のために…
大人として「生き様」を見せる
おしゃれカフェのイケメン店員??…
そんな洗練された爽やかさを漂わせる西田 遙さん。
この若さでNPO法人 河原部社を設立、現在理事を務めるとともに、韮崎市民交流センター「ニコリ」B1Fの青少年育成プラザ「ミアキス」の施設長として精力的に活動する、実力派シゴト人。
河原部社ってどんなシゴトをしているの?ミアキスってどんな施設?
NPOを立ち上げたきっかけとその思いとは…?
魅力的な西田さんの素顔と本音に迫ってみました!
おうかがいしたのは、韮崎駅前にある市民交流センター「ニコリ」B1F“ミアキス”。
一見、輸入家具屋さんやカフェを思わせる、ガラス張りの明るく開放的な空間に、木を基調にしたシンプルモダンな家具やスタイリッシュなインテリアがなんともオシャレ。
最初はがらんと無機質だった空間に、夕方4時半を過ぎたころから学校帰りの中高生が続々と集まってきました。
「ここは、家でも学校でもない、中高生にとっての“第3の居場所”。そして、親でも先生でもない“第3の大人”と関われる場でもあります」。
コンセプトは、“あなたは何に進化する?”。
使い方は自由。ルールも自分達で決める。中高生が自ら考え運営する拠点。
その昔、裏山にかつては存在した子供達の「秘密基地」のような存在なのかもしれません。

人生を変えた1年365連休

大学1~2年は、部活やサークル、バイト、勉強といったごく普通の大学生活を送っていた西田さん。少し違和感を感じながらも、まわりにいるみんながそうだったし、学生ってこういうものかなと思っていたとか。
ある時、「学生 活動」と検索したことで知った、県外の学生団体の活動とその熱量。刺激を受けた西田さんは、起業している学生やNPOで働く学生に直接会いに出かけ、イベントやセミナーに参加するようになりました。
「そんな世界を知って、ギャップイヤー※1を活用して世界を旅する学生とも数多く出会いました。自分のいる小さな社会で生きているだけでは、知らないことって本当に多いと実感しました」。
そこからの西田さんの行動力はすごかった。すぐに1年間の休学を申請。
「1年365連休。この期間になんかやってやろうって(笑)」。
世界中をヒッチハイクで回る旅へ。1年で出会い、語らった人の数、なんと238人!
「自分探しの旅ではなく、何か成し遂げてやろうっていう挑戦的な旅でした(笑)。このままいけば、未来は体育教員か、一般企業への就職くらいしか想像できなかったから」。
※1 GAP=隙間の時間。人生の節目の自由な時間のこと。留学やインターシップ、ボランティアなど、社会体験活動を行うための猶予期間を与えるという大学制度のひとつ
たくさんの人との出会い。
見知らぬ土地で生きる、本来なら交差することのない人達。
そんな世界中に散らばった、小さな点でしかない、他人の人生や価値観との出会い。
それこそが、何より【自分】を知ることになったのだと。

過去の自分が想像できない自分になる!

転機は、ドイツで迎えた21歳のバースデー。
最高峰の山ツークシュピッツェに登り、山頂で絶景を目の前に感動した西田さん。
「本当に、“生きてる”っていう実感を味わえた。ふと、20歳の自分が今の自分を想像できただろうかと考えたんです」。
大学を1年休学し、ヒッチハイクで世界を旅し、バースデーにドイツの山頂にいる。
確かに、それは想像を遥かに超えた、奇想天外なストーリー。
「こんな状況に立てているのが、単純にワクワクしたし、楽しかった」と西田さん。
何事もちょっとやれば発見があって、進めばその都度の発見があって、どんどん進化し変化していくもの。
「Aの山を目指していたけど、着いてみたらBの山だったみたいな。進むうちに本当に目指してものはこっちだったと気づくこともある。それが進化だと思うし、だからゴールは変わっていっていいんじゃないかなと思えたんです」。
1年1年しっかり考えて行動して、常にチャレンジしていこう!
西田さんの目指すべき道が見えた瞬間だった。

人やコトの交差点に…

帰国後は自ら立ち上げた学生団体「Y-being」で山梨の若者の選択肢拡大に取り組み、甲府で140年前の蔵を改装した学生シェアハウスや、山梨初の学生運営のシェアスペースiira(いいら)など、人やコトが関わる拠点作りに奔走しました。
2016年にはNPO法人 河原部社を設立。
韮崎がかつて河原部村とよばれ、3つの道が交差する人や情報、物資が行き交う拠点として賑わいを見せたことから、社名をつけたとか。
現在、韮崎市から「Come Back支援事業」※2を受託し、主体となり運営しています。
「ミアキスは単なる中高生のための場ではないんです。Come Back支援事業として、地元に対する満足度をあげる街づくりを、ここを卒業した子供達とも続けていけるよう、ローカルウェブメディアにも今注力しています」。
※2 自分の住む地域への誇りと愛着を深め、将来的にふるさとに回帰する心を育てるプロジェクト
「韮崎、つまんない」
「なんにもない」
「ビジネスチャンスもない」
そんな声を
「自分達が韮崎をもっとおもしろくする!」
「地元で何かやりたい!」
に変える拠点になろう。
「僕達が中高生に何か教えるとか、正解を示すことはできない。大人ができることは、考え方や生き方、働き方を見せることだけ。それを見て感じて考えて行動するのは、彼ら自身ですから。僕はその場を提供し、きっかけを作っているだけです」。
出世や収入にとらわれず、自らのビジョンを持ち、自分らしく生きる働き方。
まず、考えを行動に移すこと。主体的に行動すること。
いつまでも、ワクワクすることを追い求める姿。
家でも学校でもない「第3の居場所」で親でも先生でもない、信頼できる「第3の大人」のそんな生き様を韮崎の中高生達は日々目の当たりにしながら、確実に、少しずつ、進化しているのでしょう。

十人十色の“ミアキス”という存在

ゲームや携帯に興じる子、音楽を楽しむ子、宿題する子、卓球を楽しむ子、仲間同士の制作物に取り組む子、おしゃべりしたりお菓子を食べたり…。
ここでの過ごし方は十人十色。
でも、誰一人ここに来なさいと言われて来ているわけじゃない。
全員が、自らの意思でここに集まっているのです。
壁には様々な掲示物が。
「こんな仕事があるんだ!」と世の中の職業を知るきっかけになる“しごとポケット”や中高生発信のプロジェクト紹介など。
ミアキスに時計がないからオリジナル時計を作ろう!とか、端切れを集めてコタツ布団を作ろうなどほっこりするものから、出資金を募ってデンマークに行きたい!という大きな夢プロジェクトまで、様々。
中高生達は、自分の想いやアイデアをカタチにしようと考え、行動する。
「デンマークに行きたい女子4人組が、なぜ行きたいのか、行ってどうするのか、支援者へのメリットなどを考え、プレゼンし、出資金を募りました。結局、目標100万円には届かず、デンマークへは行けなかったんですけどね」。
プロジェクトは必ずしも成功するとは限りません。
それは、ここがあくまでも場所だけの提供で、特別待遇は特にないということ。
「中高生は何でもできる!ただ、自分達の力だけで達成できることもあれば、できないことだってある。これって社会の常識ですよね。大人が助けてくれたら、実社会を体感できない。できるだけ実際の社会に近づける環境づくりを意識しています」。
そこにいた中学生に「ここはどんな場所?」と聞いたら、満面の笑顔で「自由でめっちゃ楽しい場所!」とかえってきました。
ある人は「こんなのあったらいいな!を描ける真っ白いキャンバス」だと言う。
またある人にとっては「いつもそこにある青空」で、またある人にとっては「ワクワクできる四次元ポケット」。
ミアキスというひとつの空間に、十人十色の想いが交差し、様々なカタチを生み出していく…。
大人が操縦しなくても、勝手に進化し、それぞれの方向へ動き出す何艘もの力強い船を連想させられました。

人生をどう生きるか

西田さんが一番影響を受けた大人は、お父様。
「高校教師だった父親が、ある日突然学校を辞めて大工になったんです。小学校1年生でしたが、父親が自宅を建ててくれ、なんかこういう生き方していいんだって思いましたよ(笑)」。
実はこのミアキスの空間も、お父様がつくってくれたんだとか!
「父のおかげで、壁の向こうの構造を学ぶことの重要性を学びました。何事も構造を知っていれば、たとえ初見でも感覚的に想像ができる。お金、社会、人間関係…構造によって理解できる部分が大きいです」。
予測不能な人生こそ、ワクワクするという西田さん。
どの会社で働くかよりも、人生をどう生きるか。
「僕は自分にしかできない仕事、生き方をし続けていく。逆にそれしかできない(笑)。僕達の活動は単発で終わっては意味がなく、継続することのほうが大事なんです。ここに来ていた中高生が卒業して、また韮崎に戻ってきて、この活動をさらに進化させてくれます!」。
予測不能な韮崎の未来に。
ワクワクがとまりません!

西田 遙さん
お気に入り Gourmet
村松物産店
うーめん
村松物産店ムラマツブッサンテン
手打ちうどんとごはんの食堂「村松物産展」。
住んでいる増富エリアにあるうどん屋さん。
瑞牆山に登った帰りにぜひ!きっとその日をさらにいい1日にしてくれると思います。実はDJとしての顔も持つ店主がとってもマニアックで、面白いので絡んでみてください。笑
TOPICS
NPO法人 河原部社(KAWARABE-SHA)
山梨初の学生運営のシェアスペースiira(いいら)を紹介しています。
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