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Release:20.06.17

子どもの視力について5つのQ&Aを視能訓練士がお答え!

子どもの視力・弱視Q&A~弱視のしくみやチェック、治療法など

子どもの視力を気にしたことはありますか?
気付かないだけで、実はうまく見えてなかった…ということも多いそう。
しかし、子どもの視力がきちんと機能しているかどうかは、子ども本人にはわかりづらいのだとか。
そこで、子どもの視機能のスペシャリストであり、老舗眼鏡販売店「セイビドー」の社長でもある輿石あやかさんに、未就学児を持つ保護者が知っておきたい5つのテーマに回答していただきました!

目次

  1. 未就学児も目が悪くなる?
  2. 子どもの「目が悪い」はどう気づく?
  3. 目の異常を早く察知するには?
  4. 弱視って治るの?
    ―弱視治療とは?
  5. 幼児からのテレビやスマホの影響は?

Q1.
未就学児も目が悪くなる?

弱視の可能性も

普段通り生活しているように見えて、実は視力に不具合があることも。
中でも『弱視』は気づかないうちに進行していることが多くあり、子どもの50人に1人と発生頻度も高いので要注意。

弱視

体の成長とともに目も成長し、それに伴って情報が脳の視覚を感知する部分を刺激してだんだんモノが見えるように。
しかし、成長過程で目の何らかの異常などによって脳に刺激が行かないと、視力の発達が妨げられてしまいます。
この視力の発達が妨げられて育たない状態が弱視です。

Q2.
子どもの「目が悪い」はどう気づく?

普段のしぐさに注意!

子どもの目の見え方に違和感があるかどうかは、いつも一緒にいる家族でも気づきにくく、本人も自覚しないことがほとんどです。普段何気なく見せるしぐさに注意してみましょう。

ママのアイコン

実際の声 息子は3歳児検診で強い遠視があるとわかりました。
斜視はなく、テレビや夜空の星も見えている様子だったし、両親ともに視力は悪くないので、診断されるまでまったく気付きませんでした。

こんなしぐさは要注意!!
  • テレビを近くで見る、あるいは適切な距離から目を細めて見る
  • ものを見る時に顔を斜めに傾ける、あるいは横目で見る
  • ものを見る時に片目だけ寄っている、あるいは中心から外れる
  • まぶしがる
  • 瞳が白く見える、あるいは光って見える
  • まぶたが垂れ下がっている

Q3.
目の異常を早く察知するには?

家でできる簡単チェックを紹介!
テレビのアイコン
親と同じ位置からテレビを見て同じものが見えているか
顔のアイコン
片目を隠して嫌がらないか
嫌がる場合はもう一方の目が見えにくい可能性がある
写真のアイコン
子どもの顔が写っている写真の目の位置に異常はないか
どの写真を見ても目が寄っている、あるいは外れている場合は斜視の可能性がある
しっかり視力を調べたいならこの3箇所 3歳児検診:4歳になる年度/就学時検診:6歳になる年度/眼科:いつでも

3歳児健診の視力検査は視力に違和感がある場合にしか実施しない自治体もあるので、その場合は子どもが小さいうちに眼科で検査するのがおすすめ。

弱視って治るの?

早期に治療をスタートすれば大丈夫

視力の発達は8歳までで、もし弱視と診断されても、それまでに治療が開始できれば日常生活に支障がないレベルまで回復が可能に。

特に治療開始のタイミングが5歳までであれば、ほとんどの場合1.0くらいまで改善します。

この期間を過ぎると、治療しても回復は困難とされています。

弱視の治療とは?

斜視や強度の屈折異常(遠視・乱視など)が原因の弱視は、治療用メガネをかける方法が一般的。
 
弱視治療用メガネとは、目から入る光の屈折を調節して視力の発達を促すためにかけるメガネで、近視用・老眼用のようにピント調整するメガネとは異なります。
 
先天的な目の病気や目の構造に問題がある場合は、専門の治療や外科的手術が必要な場合もあります。

弱視治療用メガネの作り方・費用

① 眼科で検査&診断書をもらう

ふつうの視力検査や屈折検査だけでは、弱視治療用メガネを作ることは不可。
 
必ず眼科を受診し、『弱視等治療用メガネ等作成指示書』を受け取りましょう。
この指示書は公的補助を受けるときにも必要に。

② 指示書をもとにレンズ作成

レンズはメガネ店で作ります。

<お店選びのポイント>
  • 弱視治療用に適した子ども用メガネフレームの取り扱いが多い
  • アフターフォローがしっかりしている
  • スタッフが弱視治療に関する知識を持っている
  • 幅広いレンズに対応できる

また、レンズにはキズ・汚れ防止やUV400、裏面UVカット、ブルーライトカットのコーティングをすることも可能。
※レンズ作成にかかる費用の目安:14,000円~

③ フレームを選ぶ・フィッティング

弱視治療用メガネを作るうえで、子ども本人が気に入ったデザインのフレームを選ぶことは重要なポイントのひとつ。
 
また、正しい位置でかけ続けられるようにしっかりフィットさせたり、動いてもズレにくくするための調整はとっても大切な過程。

④ 治療用メガネのできあがり

製作期間はだいたい4〜5日ほど。
 
大人が使うメガネとは違い、弱視治療用メガネは常にかけ続けることが必須。
また、治療の程度や段階、子どもの成長にともなって、必要なレンズやフレームのサイズも変わってくるので、長い期間治療に寄り添っていくことが必要に。
※弱視治療用メガネ作成にかかる費用の目安:20,000円前後~

Q5.
幼児からのテレビやスマホの影響は?

近視の原因になることも

テレビやスマートフォンは近視の原因になることがあり、早いと小学生低学年から進行することも。
なお、弱視には影響はありません。

弱視は個性ととらえよう!輿石さんからのアドバイス

“弱視”と聞くと『障害』や『恐ろしい病気』のように感じてしまう人もいらっしゃるかもしれませんが、早期に発見・治療すれば十分回復できます。
 
体の大きさがみんな違うように、目の位置や大きさ、成長速度もひとそれぞれ。
 
もしお子さんが弱視と診断されても、それもひとつの個性ととらえて、一緒に治療に寄り添ってあげてくださいね。

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