KUPU-KUPU(クプクプ)
~ささやかな夏の記憶に~
2022/4/5 閉店しました。
〇月×日
私の耳は貝の殻
海の響きを懐かしむ
Mon Oreille est un coguillage.
Qui aime le bruit de la mer.
私の大好きなジャン・コクトーの詩。
高校生の時に出会ったのは原文だった。
フランス語特有の美しい響きで、
歌うように、10代の多感な心に訴えかけた。
でも、堀口大學の訳がまたこの上なく素晴らしい。
寄せてはかえし、また寄せてはかえす波の音。
幾度となく、永遠に繰り返される海の響き。
時に置き忘れられた貝殻は、
過ぎゆく夏の記憶に心を寄せる私そのものだ。
大好きな夏が終わろうとしている。
太陽に照らされキラキラと光る水面。
吸い込まれそうな深い青と透明な輝き。
夕日をのみこむ水平線。
月と歩く静寂の砂浜。
今年の夏は、どれも叶わなかった…。
いや、諦めるのはまだ早い。
そうだ、あそこに行こう!
やってきたのは、バリ風リゾートダイニング&バー
KUPU-KUPU(クプクプ)
店内には滝が流れ、入ってすぐのところにはビーチサイドカウンターが。
想像力を働かせれば、見えてくる目の前に広がる青い海と白い砂浜…。
人間のイマジネーションとはなかなかすごいものだ。
膨らんだ空想の世界を漂い、流れる滝の音が寄せてはかえす波の音に聞こえてくる。
現地から取り寄せたという、こだわりのインテリアも功を奏し、気分はすっかりバリ♪
異国情緒たっぷりに、リゾートの非日常時間を満喫する。
オーダーしたのは、夏バテ気味の身体にカツを入れてくれそうな、ジャークチキン!
1日以上味噌に漬け込んで、しっかり味が染み込んだ柔らかチキンに、とろ~り半熟目玉焼きを絡めながらいただく。
まろやかな黄身の甘みとコク深い旨味スパイスに、ハーブが爽やかに香る。
舌全体で夏を満喫する。
スイーツのラインナップも魅力的すぎる!!
でも、今日は食後のドリンクで喉を潤そう。
今年の夏は短かった。
目をそっと閉じれば聞こえてくる波の音。
吹き抜ける海の風。
ささやかなこの夏の記憶に…。
-甲府市
料理と器とワインをこよなく愛するママ編集者。
性格がおおざっぱなため、お菓子作りは失敗しがち。
最近は酵母菌を我が子のように可愛がっているらしい。