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多目的スペース&カフェ店主 | 栗原 俊行さん

栗原 俊行さん(58歳)
東京都出身 北杜市在住
 
”仁田平マルシェ”


近年話題となっている地方都市への移住。

中でも山梨県北杜市は、いまや市民の4分の1が移住者という人気のエリア。

今回スポットを当てるのはそんな移住者の一人、仁田平マルシェオーナーの栗原俊行さん。

移住したきっかけ、移住して見えてきたこと、そしてこれからのことなど、栗原さんの北杜市での生活にまつわる話を伺いました。

 

誰でも気軽に来られる場所
『仁田平マルシェ』

北杜市須玉町にある仁田平マルシェは、食堂・カフェとして営みながら、手作り雑貨のショップ兼アトリエ、そしてイベントを開催する多目的スペース。

美味しい・楽しいお店として、そして地元住民や移住者の交流の場として多くの人が集まる場所です。

栗原さんがこのお店を始める背景には、移住者だからこそ見えてくるコミュニティーへの違和感があった、と言います。

「こっちに来てイベント出店をしていく中で思ったのが、“どこに行っても同じ人がいる”っていうこと。

場所を変えても、出店者も来る人もいつも同じ顔ぶれ。

全然地元の顔が見えないの。

結局、こういった場所は移住者同士の交流の場にしかなってなかったんだよね。

僕は、この辺り(仁田平地区)は八ヶ岳南麓地域に比べれば移住者は少ないというのもあって、地元の人たちのために何かできるお店にしたいという思いがあって。

地元の人も移住者も誰でも気軽に来られるお店にしたいって思ってるんだ。」

 

 

“まず人と知り合おう”から始まった出店

栗原さんが北杜市に移住してきたのは2012年の10月のこと。

なんでも、それまで飲食店やスキーロッジの経営、靴の製造など、様々な職と土地を転々としていたのだとか。

「当時のパートナーと『どこかに移住しよう』って話になったんだけど、その中でなぜ北杜市が移住先の候補に挙がったかというと、昔となりの長野県で働いたことがあって土地勘があったから。

でも土地勘はあるけど知り合いが誰もいないから様子を見に来たりして。その時に東京にも近いし景色もいいし、『北杜市いいね』って話がまとまったの。」

当座の仕事も決まり、心機一転北杜市の生活をスタートさせた栗原さん。

しかし人脈がない地で暮らしていく中で、『まず人と知り合おう』という気持ちが芽生えます。

「こっちに移住するにあたって仕事を見つけたんだけど、知り合いが全くいないから、まず人と交流しようと思った。それでカフェやレストランに出向いて自分ができることを探し始めたんだ。そして2年ぐらいそれを目的に、“仁田平”に住んでいることにちなんで“仁田平マルシェ”って名前で色々なイベントでマルシェ出店を始めたの。」

この活動を機に、出店者や訪れる人々との繋がりを広げていった栗原さん。

その中で出店に協力してくれる仲間と出会います。

「近所に住んでいるおじさんが経営していた工場があって、そこでお店やりたいって伝えたの。

そしたら貸してくれるって話になって。

お店を作る時には、活動の中で出会ったリノベーションを手掛けている人たちが手伝ってくれたんだ。」

 

こうしてようやく2015年4月に『仁田平マルシェ』がオープン。

それから現在に至るまで、あらゆる人がこの場所で交流の輪を広げています。

 

移住者と地元の人が繋がれる場所に

 

地元の人々と移住者が共に集える場を作るべく日々奮闘する栗原さんの今後の目標は、『人と人を繋げていく』こと。

「まだまだ地元と移住者の繋がりがないと思ってる。だから、ここに来れば移住者と地元の人が繋がれて、情報交換やお互いの思いや考えが伝えられる場所になっていければいいなって思う。」

そのために、マルシェ出店時代に出会った仲間とは今でも一緒にイベントを行い、北杜市の良さを発信するかたわら、地元の人たちにも還元する工夫を常に模索しているのだとか。

「移住者同士はお互い知らない土地に飛び込んだ者だからこそ共有できる部分が多いんだけど、同じスタンスでやり続けてしまうと同じ人しか来ないし、地元との繋がりをあまり感じられないのかなって思う。

若者よりも圧倒的に高齢者が多い仁田平だから、逆に『地元にどんなお店がある』とか知らない人が多くて。

そういう人に情報を教えてあげられたり、何かイベントを組む時はまずは地元の人が来られるようにしたい。あとは、このあたりの若者を育てていきたいっていうのもあるし、次世代を担ってくれるような人の移住促進もしていきたいかな。」

また、移住を考えている人たちには“地元の人へのリスペクトと覚悟が大切”と栗原さんは言います。

「移住相談会に参加すると、『冬は寒いか?』とか『近所付き合いはどうか?』って質問が多いんだけど、もちろん冬は寒いし、楽しいことも大変なこともある。

いいことだけじゃないことは分かっていると思うんだけど、自分たちが入り込む努力をしないで『良くなかったから帰る』っていうのは違うと思う。

まずは色々見て、いきなり土地を買うんじゃなくて借りてみるっていうのもありなんじゃないかな。」

地元の人たちと移住者のお互いのいいところが融合できる環境へ。

そして楽しいことがみんなで共有できるように。

そのために新たな地元を育て、人と人をつないでいく。

そんな栗原さんの願いが込められた仁田平マルシェ。

移住してきた栗原さんだからこその視点で作られたこの店には、今日も様々な垣根を越えて多くの人々が集います。


仁田平マルシェPORTAページ



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