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等身大ママ准看護師 佐野美香さん

プロフィール

甲府市出身 甲府市在住。
23歳で結婚、現在小4と年長の2児の母。
家事、育児をこなしながら2年間学校に通い猛勉強。
2019年3月試験に見事合格し、准看護師となる。
現在、HANAZONOホスピタルにて勤務。
まだまだ夢の途中
家族と歩む今とこれから
佐野美香さん
やってきたのは塩部にある甲府市看護専門学校。
今年の春、准看護師の資格を取得した佐野美香さんが2年間通った教室を訪れました。
2009年に長男を、2013年に長女を出産してからというもの、ずっと子供中心の生活をしてきたという佐野さん。子供の成長に合わせて、子供のタイミングに合わせた働き方とそれが可能な仕事を選んできました。
それは、母になった瞬間に誰もが経験する通過点。
そんな佐野さんが一大奮起して、看護師を目指すことに。
佐野さんを奮い立たせた、その糸口は…。

今からでも間に合う!

佐野美香さん
涼やかな笑顔の中に、凛とした美しさを持った女性(ひと)、佐野美香さん。
子供ができたとたん、生活は一気に子育て中心にと一変。
仕事も、子育て中の生活スタイルに合った無理のない時間帯で、働きやすさを重視して選ぶことになりました。
「“やりたい仕事”なんていう発想すらなかった」という佐野さん。
そんな中である時ふと芽生えた不安と違和感。
「このままどんどん子供は成長して、自分は年を取っていくんだなあって。子供が本当に成長したあと、自分には何が残るんだろう。なんか空の巣症候群になりそうだなって、不安になりました(笑)」。
佐野美香さん
「自分自身のやりがいのあることを見つけてみたい!」
そう思った佐野さんは自問自答を繰り返した結果、家族に相談して何度も何度もみんなで話し合いました。
看護師はもともとやりたかった憧れの職業。
「祖父母が亡くなるまで寄り添ってくれた看護師さんが本当に印象深くて。本人にとっては人生が終わる時、最期に携わってくれるのが看護師さんですが、残された家族にとってはそこからが再スタートになるわけで、そんな新たな第一歩を見守ってくれたのも看護師さんだった」。
佐野美香さん
佐野さんが看護師を目指すと決めてから、学校に通い始めるまでに約3年の歳月が流れました。
「子供がまだ小さかったので、準備期間をしっかり長くとることにしたんです。“ママが学校に通うから”ということを子供達が受け入れる時間ですね。長男が小学校2年生、長女が保育園に入るまで3年待ちました」。
まだ子どもが小さいし。
ママなんだし。
今さら夢を追っても。
いろんなことに理由をつけて、言い訳して、見ないようにしていただけだったと気づいた佐野さんは、どんなに時間をかけても、どんなに大変でも、もうチャレンジすることは諦めないと誓ったのです。
佐野美香さん width=

「様々な人に支えられた2年間

准看護師の資格を取るべく、甲府看護専門学校へ入学した佐野さん。
2年間の猛勉強の日々が始まりました。
佐野美香さん
「覚悟はしていたけど、想像以上にできなくなったことは多かった。子供と添い寝する時間や家事の時間。料理はできても買い物する時間がなくて、材料がなきゃ作れないって当たり前のことに改めて気づきました(笑)!」。
家事と勉強を両立することは、主婦である佐野さんにとってはまさに至難の技。1日に1~2時間の睡眠時間しかとれないこともあったとか。
佐野美香さん
「よりによってこんなときに!!っていうタイミングで学校から呼ばれたり、子供のことを見ているつもりでも確実に行き届いてない!!そんな時にママ友が足りない分を補ってくれました」。
「助けてっていわなくても、頑張っている姿をまわりが理解してくれて、見えないところでたくさんの人に支えてもらった」と佐野さん。
夫は家事を協力ではなく主体的にやるようになり、子供達でさえも「ママ、明日テストなんだよね?」と佐野さんを気遣い、手伝ってくれました。
「友達にも家族にも“ありがとう”っていう言葉が自然に心から出るようになりました」。
佐野美香さん
佐野さんにとって、大きな支えとなったのは家族だけではありませんでした。
「自分が頑張っただけじゃなくて、共に勉強したチームのメンバーに支えられて、いろんなことを乗り越えられたんです」。
特に同じ志を持ち、同じところを目指し、多くの時間を共有してきた千須和映美さんの存在は大きかったといいます。
大人になってから出会った親友。
学校でのこと、勉強のこと、夢のこと、子育てのこと。なんでも話し合い、共に励ましあいました。
佐野美香さん
佐野さんはこの春から准看護師として病院に勤務。千須和さんは現在正看護師を目指し、さらに2年間勉強中。
「お互い違う道に進んでいるけれど、映美ちゃんは私のいつでも戻れる居場所。そんな友に出会えたこと、共有した時間が今の私を支えてくれています」。
一足先に現場の経験を積む佐野さん、さらなる夢に向かってステップアップを目指す千須和さん。これからも、お互いを意識しつつ、刺激し合えるいいライバルであり、いざという時には本音でぶつかり応援できる存在であり続けるのでしょう。
佐野美香さん

36歳、新人です!

看護の世界を目指した2年間は、人の命に接する仕事だけに、いろんな角度から自分を見つめ自分と向き合った時間でもあったという佐野さん。
1ヶ月1ヶ月変わっていく自分を肌で感じられたとか。
「2年間本当に必死で勉強しましたし、こんなに人前で泣いたことはないってくらい泣きました(笑)。30すぎて、学生時代より濃密な時間を過ごしました」。
佐野美香さん
春からは、HANAZONOホスピタルで准看護師として新たなスタート地点に立った佐野さん。
36歳、新人。
「若い頃なら“あぁ、えらい”って諦めちゃったかもしれないことを、この年だから頑張れる。自分のお金を使って勉強したわけだし、家族も見てる。若い子と比べたら体は動かないし、疲れるし、眠いし、覚えも悪い。でももう自分で言い訳つけることはない。新人として覚えることだけで毎日精一杯だけど、全力でやるだけです(笑)」。
佐野美香さん
「10年後に “どうしてあの時やらなかったんだろう”と後悔しても、その時はもう46歳。今はまだ36歳。だからとりあえずなんでもやってみる!」。
人はついついラクなほうへと流されてしまいがち。
「夢を追うには、大変なことをしなくちゃならない」と話してくれた佐野さんの迷いのないまっすぐな瞳が印象的でした。
佐野美香さん

これで終わりじゃない

准看護師の資格を取得し、念願の職業を手に入れた佐野さん。
やっぱり正看護師を目指したい…。
1度芽生えて動き出した夢は、次のステップへ。
「でも、今は自分がその道を選ぶときではない」と佐野さんは考えています。
「これからの2年間はまた、子供中心に過ごしたくて。私が必死に勉強しているこの2年間の間に、気づいたら息子と温泉に入れなくなったんです(笑)。これからの2年って、もしかしたらそんなことが多くなるのかなって。一緒に家族で出かける時間とか、今しかできないことってたくさんあって、それってきっと有限だから」。
佐野美香さん
生き方は決してひとつじゃない。
准看護師という夢を追ったおかげで、また生きる道の選択肢が増えたという佐野さん。
「まだまだ夢は見られるし、これで終わりじゃない」。
様々な人との一期一会が佐野さんの「今」を作り、人のありがたみをこんなにも感じる濃密な時間を過ごしている佐野さん。
子供中心にまわる生活へとまた少しシフト。
「手がかからなくなる分、心が見えなくなる。子供の成長とともに、親が介入できるスペースは決まってきます。これから大きくなってもいい関係でいられるように、今があると思っています」。
「子供が100%だった時もあるけれど、妻でも母でもなく、自分もひとりの「人」として別のアイテムが必要になることもある」という佐野さん。
2年後の佐野さんは、きっとまた別のアイテムを手に入れるべく、前進していることでしょう。
佐野美香さん

ロケ地はここ!
子供達とよく行く公園
佐野美香さん
佐野美香さん
千塚公園
住宅街の中にあって、防災公園を兼ねているためか遊具は少なく広い芝生が広がっています。お年寄りのグランドゴルフ、子供たちのサッカー、鬼ごっこ、木登り、小さな子供達の自転車の練習や三輪車デビュー、親子ランチ、健康づくりのウォーキングやランニングの人達と、朝から夜まで様々な人たちがここでひと時を過ごしています。なんとなく、手ぶらで子供達と遊びに行くと、約束してなくてもお友達に会うことも。
ストレスが溜まったとき、子供達を寝かしつけてからや早朝、ウォーキングやランニングに行ったりと、1人の時間にも訪れている場所。遮るものが何もないので、地元の湯村山を一望出来て、四季を体で感じられるのがとても好きです。
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