丹々珈琲店 / 甲府市

奥深い珈琲の世界と楽しみ方に出会える店…というと、何だか敷居が高いが、つまり、その人なりに自分好みの味を探究できるということ。
産地をあえて公表しないのも、先入観で飲んでほしくないというオーナーのこだわりから。淡・庸・濃の3種類の深煎りを用意し、複雑なブレンドの世界を味わってみよう。
ネルフィルターを持つ手と注がれるお湯を繊細にゆっくりと操り、完成していく珠玉の一杯に、つい見惚れてしまうだろう。

もともとはハンドドリップコーヒーとキューブパンのキッチンカーからスタートしたこともあり、パンメニューの人気が高い。
毎朝キューブパンと食パンを焼き、珈琲は自家焙煎…と大忙しだが、それらもすべて「自分の手で作ったものを自分の手で送り出したい」というシンプルな発想がゆえの賜物。クラストはパリッと、クラムはふっかふか～の厚切りパンに、自家製ホワイトソースで“喫茶店らしい”クロックムッシュを「淡」といかが。

まるで秘密基地のような隠れ家感が漂う入口を開けると、シックで落ち着いたレトロ空間がお目見えする。靴を脱いで上がるスタイルも、ほっとおうちのようにくつろげるポイントだ。こんな店の常連になりたいと思わせる1軒。